RPA 対応のチャットボットが今、必要な理由
2つの強力な自動化技術は、長い間、企業の中で別々の道を歩んできました。
ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は、主にバックオフィスで活躍していました。RPAは、複数のシステムやスプレッドシートを使用するような反復的でエラーが発生しやすい作業であれば、どこでも機械が迅速、かつ容易におこなうことができることが証明されています。
チャットボットやバーチャルエージェントは、自然言語インターフェースを介したユーザーとの対話を自動化する顧客体験の領域で成長してきました。
企業は人間の推論や判断を必要としない、あらゆるカスタマーサービスの会話を自動化することができます。
RPA対応のチャットボットを使ってAHTを改善する
平均処理時間(AHT)とは、サービスセンターやオペレーターが各トランザクションに費やす平均時間を測定するために使用する指標です。
RPAは、タスクを自動化します。チャットボットは、会話を自動化します。
コンタクトセンターほどテクノロジーがうまく組み合わされている場所はありません。
これらのテクノロジーの可能性をコンタクトセンターの一般的な指標である「平均処理時間(AHT)」を用いて考えてみましょう。
AHTとは電話やチャットの開始から、待ち時間、オペレーターとの実際のやり取り、電話の記録やユーザーの要求を満たすために必要な接触後の作業など、最初から最後までの対応にかかる平均時間のことです。
AHTが重要な2つの理由
1) コンタクトセンターでは「時は金なり」です。オペレーターに費やす時間はコンタクトセンターの拡張性に影響を与えます。
AHTが5分から4分になった場合、同じ数のコールに対応するために必要なオペレーターの数は少なくなります。
2) 消費者にとってAHTの上昇はフラストレーションの原因となります。保留にされたり、オペレーターが情報を探している間に黙って待たされたりするたびに顧客の好感度は下がっていきます。AHTが低いと解約が減り、ロイヤリティが向上します。
RPAやチャットボットとの関連は?
オペレーターは、お客さまをお待たせしている間に3〜5つの異なるシステムにアクセスして情報を検索したり、記録を更新したりしなければならないことがよくあります。
企業では、CRM、請求書作成システム、受注管理システム、サービスデスクシステムなどを複数のレコードとして認識されているかもしれません。
企業が買収をおこなうと既存のシステムが引き継がれ、管理しなければならない画面や更新しなければならないデータベースが、オペレーターが利用するウェブに追加されます。
RPAはオペレーターの業務を軽減し、AHTを大幅に削減する理想的な技術です。
顧客が注文した商品の送り先の住所を変更する必要がある場合、オペレーターは一度だけ情報を更新し、残りの作業はそのお客様の住所が存在する可能性のある他のすべてのシステムで、RPAボットに任せることができるべきです。
また、複数の製品ラインや企業にまたがる顧客の注文履歴を確認する必要がある場合、注文や追跡がおこなわれたすべてのシステムに手動でアクセスするのではなく、ボタンをクリックするだけで確認できるようにすべきです。
チャットボットやボイスボットは、これをさらに最適化します。
お客様が人間のオペレーターではなく、チャットボットと会話を始める場合、お客様は自然言語で表現することができ、AIがそのインテント(意図)を判断します。ユーザーが「先週注文した商品の配送先を変更したい」と言えば、AIはお客様が注文を変更する必要があることと、その注文の時間枠が先週であることを理解します。そして、チャットボットは顧客が更新した配送先住所をRPAボットに渡すことで情報を保存しているシステムを探し出し、それに応じて更新することができます。
これらすべてを人手を介さずに瞬時に処理することができ、処理時間を数分ではなく数秒に短縮することができます。
チャットボットとRPAの組み合わせは、顧客向けのセルフサービスに新たな能力をもたらし、これまで人間のオペレーターが必要だったプロセスに自動化をもたらします。