AIによる電話対応・コールセンターの自動化
様々な業界で人手不足が問題となっていますが、特にコールセンターや電話受付では人手不足は常態化しており、AIによる業務効率化が注目されています。
ここでは対話型AIプラットフォーム「Cognigy(コグニジー)」が電話受付やコールセンターで発生している課題をどのように解決するかについてご紹介します。
コールセンターへのAI導入で期待できる効果
コールセンターに対話型AIを導入することで下記のような効果が期待できます。
1)24時間365日対応
2)オペレーターの業務効率化・顧客満足度の向上
3)応答品質の向上・均一化
1)24時間365日の対応
AIは時間と場所を必要としません。人手不足などにより実現が難しかった24時間365日に対応することが可能となります。また24時間365日対応が可能になることで、企業側は機会損失を減らすことができ、ユーザーは自分の都合の良い時間帯にサービスを受けることができるメリットがあります。
2)オペレーターの業務効率化・顧客満足度の向上
通常の電話受付やIVRによる対応は、ユーザーは自分の質問がどの番号なのか分からないケースが多いため、オペレーターは1からヒアリングしなければならない場面が多く、1回の電話応対にかける時間が長くなってしまう傾向があります。
対話型AIが一次対応を行うとどうなるでしょうか。
事前に学習された応答を元に自然な対話を通して、ユーザーの課題をヒアリングしていきます。AIだけで完結できる内容であれば、オペレーターに繋ぐことなく対話を完了することができますし、AIが回答できずにオペレーターに繋ぐ場合でも、オペレーターはそれまでの応答内容を画面で把握しながら対話を引き継ぐため、会話の引継ぎをスムーズに行うことができます。
オペレーターの負担が少なくなり、課題解決への道筋を示しやすくなることから1回の通話時間を短くすることができます。
また問い合わせ集中や対応オペレーターが少ない場合、電話が繋がりにくくなり顧客満足度低下の大きな要因となります。
AIが一次対応を行うことで、繋がりにくさに対する顧客満足度の低下を防ぐことができます。AIがオペレーターとの会話までにある程度のヒアリングを行ったり、オペレーターに繋がりやすい時間について案内を行い、いつ繋がるか分からないといった状況を改善します。
またCognigy(コグニジー)は、オペレーターの空き状況をカレンダーから参照することができるので「○時ならオペレーターの電話が空いています」「○時頃が繋がりやすいです」といったような具体的な提案を行うことも可能です。顧客はいつ繋がるか分からない電話を待ち続ける必要がなくなりますし、繋がる時間帯が明確になるため不満を抱きにくくなります。
また既存顧客向けのサービスを展開している企業では、通話相手が既存顧客か、新規顧客かによって対応が異なることがほとんどです。Cognigyは電話番号などの顧客情報を既存のデータベースと照合し、その顧客が新規なのか既存なのかを判断することが可能です。既存顧客であれば現在の契約内容や過去の購買履歴などのユーザープロフィールを検索し、オペレーターとの通話の際に表示します。オペレーターはそれらの情報を確認しながら対応にあたることができるため、応答もスムーズとなり顧客満足度の向上につながります。
3)応答品質の向上・均一化
コールセンターに対話型AIを導入しても、導入当初から完璧に応答できるわけではありません。事前に学習していない質問や、ユーザーの質問の方法は非常に多様なため、質問と回答を紐づけることが出来ないなど回答が出来ない場面も出てきます。AIが回答できなかった質問は、応答履歴機能とAIを活用することにより、自動で学習していくことが可能です。
また定期的に人による運用の見直しを行うことで、より人間の回答に近い精度に高めることができます。これらを継続的に行うことで応答品質を向上させていきます。活用すればするほど沢山のデータを学習するため応答の品質は向上していきます。
また人による対応では、オペレーターの経験値や知識量などにより応対の品質にばらつきがあります。マニュアルの整備や教育などにより、これらを均一化するための取り組みは各企業で実施されていますが、属人的であることや離職率が高いコールセンターでは、人の入れ替わりが頻繁のためなかなか難しいのが現状です。
対話型AIが対応することで、属人化していた応答品質を均一化することができます。オペレーターが対応する場面になったとしても、オペレーターの業務負担が少なく、また履歴を閲覧しながら対応が出来るので応答品質のばらつきも少なくなることでカスタマーエクスペリエンスの向上も期待できます。
予約電話受付におけるAI活用
また、電話受付に関するAI導入で高いニーズを持つのが予約受付対応です。高齢の方などインターネットで予約ができない方は店舗に直接電話をするため、電話による予約は今後も一定数は残ると考えられます。
個人経営など小規模店舗では人手不足が深刻な場合が多く、業務中の予約受付は業務の妨げになっている可能性があります。
例えば、ヘアサロンの電話での接客シーンを考えてみましょう。
受付専任のスタッフを常駐させているヘアサロンでない限り、接客中に予約の電話に対応することはストレスです。電話に対応するためには接客を中断させて電話応対をするか、もしくは留守番電話にしておくしかありません。
では、こうした店舗に対話型AIを導入した場合、予約対応がどのように変わるのでしょう。まず、予約電話の一次対応はすべてAIが行います。AIは事前に学習したメニューや予約カレンダーを参照して顧客と対話しながら顧客の希望メニューと日程で仮予約をします。その後、美容師は手が空いたタイミングで予約の内容を確認し、問題なければ承認を行います。美容師が承認を行うと、AIが顧客に「予約が取れました」と電話で案内を行います。
このように、いつ電話がかかってくるか分からない予約電話も一次対応をすべてAIに任せることで、美容師は接客に集中することができますから業務の効率化が期待できます。またAIだけで完結するのではなく、人間が内容を一度確認してから予約を確定させるフローをとれば自動化によるミスも防ぐことができます。
Cognigyがコールセンターに適している理由
対話型AIの中でもCognigy(コグニジー)がコールセンターのAI導入に適している理由は、Cognigyの導入や運用が比較的簡単であること、また同じボットを多言語で使用することができることです。
これまで対話型AIを作るには、プログラミングを行う必要があり、作成者にある程度のスキルを持っていることが前提とされていました。しかしCognigyは優れたエディタ機能により、ノンプログラマーの方でも短期間で拡張性の高い対話型AIを開発することができます。
業務に必要なタイミングで必要なAIを業務担当者が数日で開発することができるのです。
またCognigyは企業のあらゆる業務を効率化するための複数の対話型AIを1つのプラットフォーム上で作成、運用することができます。
オペレーターが応対した顧客のさまざまなデータは、サービスや顧客満足度改善のヒントになる情報がたくさん眠っています。例えばコールセンターのほかにWEBチャットボットや問い合わせフォームなどを設けている場合、コールセンターで蓄積した応答データをWEBチャットボットや問い合わせの応答品質向上に利用するといったようにコミュニケーションチャネル全体の最適化や効率化につなげることが可能です。