AIにより自動化されたカスタマーサービスに対する顧客の本音とは?
現在、顧客接点における人工知能(AI)の最も一般的な利用法は、問合せへの対応ではないでしょうか。
2015年にはウェブチャットのわずか5%しか自動化が行われていませんでしたが、過去6年間で自動化された、知的なチャットボットや対話型AIプラットフォームの使用が増加したため、今日では25%以上に増加しています。
また、COVID-19のパンデミックにより圧倒的な量の問合せを処理する必要のあるオペレーターをサポートするためにウェブチャットの導入は急速に進んでいます。
最近のアナリストによるコンタクトセンターの調査によると、現在のAIの使用率は業界全体で低いにもかかわらずソリューションの導入には幅広い関心が寄せられており、コンタクトセンターの35%が12ヶ月以内にAIを導入する意向を持っています。
世界のコンタクトセンターでは、最初はFAQや反復的な質問を処理するためにボットを導入していますが、成熟してくると音声ボットを追加したり、トランザクションの問合せやプロセスを処理するようになります。
お客様は依然として人間のオペレーターと話したいと思っている
AIによる自動化で簡単な作業の多くをこなせるようになっても、複雑なやり取りや感情的なやり取りをする場合、お客さまは依然として人間のオペレーターを求めます。
人が電話をかけるのは必ずしも親しみやすい声を聞きたいからではなく、問題を解決するためには最も早く、最も正確で、最も効果的な方法であることを経験的に知っているからです。実際、83%のお客様は特にセキュリティや複雑な問題について人間のオペレーターが会話にもたらす安心感を求めています。
しかし、ウェブチャットの25%が3分以内に処理されているのに対し、電話の場合はわずか9%です。
企業は自動化が業務効率に与える影響を綿密に測定しており、平均処理時間(AHT)などの指標やオペレーターによる通話と比較したウェブチャットでのやり取りの満足度などを分析しています。
長期的な視点で考える
長期的には、ほとんどの企業で顧客とのやりとりを処理するための重要な要素としてAIが使用されることは間違いありません。しかし、問題は「どのように使うか」です。
AIは、AIが人間よりも優れた仕事をするユースケースに焦点を当てるべきです。それは「より迅速」で「より正確」で「24時間365日利用可能」であり、「人間には見えないデータのパターンを見ることができる」ことなどです。
しかし、ここでもAIはお客様のインテント(意図)や感情を把握し、過去の経験からエージェントの適切な行動を理解する役割を担っています。
長い時間をかけて、AIは顧客との対話のあらゆる要素に深く入り込んでいくでしょう。