対話型AIプラットフォームの標準化
企業のオートメーション導入において知っておくべき2つのポイント
1)オートメーションは新しいビジネス・イニシアティブにおいて、成功に導く重要な要素として位置づけられています。
2)消費者、他企業、従業員との対話をオートメーション化することで、ユーザー体験(UX)の即時性や適合性が向上し、企業はワンランク上の効率化が実現できます。
すべての会話はオートメーション化でき、今後主流となっていくでしょう。対話型AIの開発が進むと、ソフトウェアによる対話の活用が拡大され、より洗練された性能を実現します。
企業の多くがすでに対話型AIを取り入れているか、試行段階に入るところです。しかし、プロジェクトベースで導入され、それぞれ異なるテクノロジーを採用し、限定数のユーザー役割にのみ利用されていることが多いです。
このように包括的な戦略を策定しないで対話型AIを導入してしまうと、会話のスプロール現象が生じる恐れがあります。それにより、企業は対話型AIがランダムで無計画に展開してしまうという問題を抱えることになります。会話のスプロール現象は既存のリスクおよび新しいタイプのリスクを発生させます。
過去に新しいテクノロジーが導入されたときと同様で、プロジェクトがサイロ化しており、最活用へつながらず、セキュリティ、拡張可能性、管理の標準が統一されていないことが見受けられます。
以前のテクノロジーと異なる点は、対話型AIはユーザーの個人情報を自動的に収集することです。ユーザーの個人識別可能情報(PII)、パスワード、健康状態、経済情報などや企業が必要としていない個人情報まで収集します。
1つのプロジェクトでは個人情報が適正に管理されていても、他のプロジェクトでは適正に行われていない場合も考えられます。どのデータを保存するか、どこに保存するか、誰が管理責任かなど情報取扱いの標準が、マーケティング、サポート、社内業務のプロセスでそれぞれ異なって適用されています。
また、部署ごとでインストールやアップグレード、マルチテナント、システムアクセス、リリース管理、冗長性について各自指針を定めた、SaaS、マネージドホスティング、オンプレミスなどを使用している場合もあるでしょう。
対話型プラットフォームは、IT部門がインテグレーション、ガバナンス、デプロイを行う際の標準を構築することで情報漏洩のリスクを緩和します。
標準化による2つのメリット
1. プラットフォームの柔軟性が高いため、高性能なシステム構築を可能にします。顧客管理(CRM)、チケット管理、人事管理(HRIS)、在庫管理などの社内システムと統合することで、ユーザーがプロセスの始めから終わりまで、自動会話型インターフェイスを通じて目的を達成することができます。
統合のシステム構築とテストさえ実施すれば、さまざまな自動会話型インターフェイスや使用ケースでの活用が可能になります。
2. コードベースからユーザーインターフェイス(UI)ベースまでと多様なUIを提供し、ユーザーにIT部門内外で権限を与えます。そのため、IT部門はボトルネックにならずにアサートコントロールが可能です。
概して、プラットフォームは会話のオートメーション機能を発揮させ、広範囲にわたる機能、アサートコントロール、ITガバナンスを実現します。究極的には、日常業務から個々の事業部門まですべての業務を担うことができるでしょう。