チャットボットの導入方法を徹底解説!種類や運用開始までの流れ
テキストや音声によって自動的に会話するチャットボットは、AI(人工知能)などのテクノロジーと歩を合わせて進化を続け、現在では多くの企業が、マーケティングやカスタマーサービスなどの現場で活用しています。
そこでこの記事では、チャットボットの導入が進んでいる背景や、ビジネスにチャットボットを導入するメリットに触れながら、チャットボットツールの種類やその選び方、導入の基本的な流れや費用の目安などについて、詳しく解説します。
チャットボットの導入が進んでいる背景
近年、多くの企業や自治体において、チャットボットを導入する動きが活発になっています。その背景にあるのは、少子高齢化の進行による労働力不足、およびそれに伴って厳しさを増すビジネス環境です。
日ごとに変革のスピードが加速する現代社会において、業務の効率化・自動化が求められるなか、チャットボットをはじめとするテクノロジーを活用し、抱えるリソースで最大限の効果を目指す必要性が高まっています。
今やチャットボットは、社外向け・社内向けを問わず、さまざまな目的で導入が進み、あらゆる現場で人手不足を補っています。チャットボットの機能の進化や、それを支えるAIの発展でチャットボットの精度や活用場面は広がっており、注目が集まっている状況です。
ビジネスにチャットボットを導入するメリット
さまざまな現場で導入が進むチャットボットですが、ビジネスにチャットボットを導入するメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。以下で主なポイントを紹介します。
カスタマーサービスの品質や効率の改善につながる
カスタマーサービスにチャットボットを活用すれば、24時間365日、ユーザーを待たせることなく応対することが可能となり、満足度が向上します。また、AI搭載型であれば、ドキュメントや過去のやりとりを学習することでより高精度な回答が可能になり、サービスの品質が向上します。さらに、担当者が立ち会って都度対応する必要がないため、カスタマーサービスにかかっていたオペレーションコストが削減され、業務負担も軽減できます。
なお、カスタマーサービスにおけるチャットボット導入のメリットについてより詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。
社内ノウハウ・知見を共有できる
「業務が標準化されておらず属人化している」「従業員の教育に手間や時間がかかる」「業務で利用するITシステムのアクセス方法や操作方法が難しい」などの理由により、企業によっては業務マニュアルを作成しているところがあります。とはいえ、その内容は多岐にわたり、大層なボリュームになってしまうことも少なくありません。これをチャットボットで代用すれば、従業員は分厚い業務マニュアルと格闘することなく、迅速に回答が得られるほか、AIが学習することで利用が重なるにつれて精度が向上します。
また、業務マニュアルに限らず、情報システム部門や法務・労務・人事といった管理部門など、社内からの問い合わせが多い部門でチャットボットを導入することで、当該部署の負担軽減や社内ナレッジ共有につながります。
なお、チャットボットを活用した業務マニュアル作成のメリットについてより詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。
オムニチャネル化を実現しやすくなる
リアル店舗やWebサイトを始め、電話・メール・チャットツールなど、あらゆるチャネルを横断のうえ、それらを融合し、最適な購買体験を提供するオムニチャネル化も、チャットボットの導入をシームレスに推進することが可能です。
例えば、「電話注文をチャットボットが受け付け、電話番号から顧客情報を参照し、最寄りの店舗を案内する」「当該店舗に在庫がない場合は、近隣店舗の在庫状況を確認のうえ他店舗への訪問、もしくは自宅への配送を提案する」といった活用方法が考えられます。
なお、チャットボットはさまざまな種類がありますが、上記のようなメリットを実現できるものでおすすめなのが「Cognigy」です。Cognigyは、LINEやメッセンジャー、電話、ホームアシスタントなど、さまざまなチャネル・ツールに接続できる対話型AIチャットボットでBtoC/BtoBや業種を問わず幅広く活用されています。
AIチャットボットによるオムニチャネルの実現や、Cognigyについてより詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。
チャットボット導入にかかる費用の目安
チャットボット導入にかかる費用は、初期費用と月額費用(ランニングコスト)に大別できますが、両者とも、搭載機能やカスタマイズ性、
によって変わります。
初期費用は、格安チャットボットでは0円から、高額なチャットボットでは数百万円までと、大きな開きがあります。また、月額費用についても、1万円程度から100万円以上までと、大きな差があります。これら費用の違いは、主に「AIを搭載しているかどうか」「外部ツール連携などの機能がどの程度充実しているか」「個別のカスタマイズがどこまで可能か」といった要素によるものです。
また、初期費用・月額費用以外に、オプション機能の利用やデザインカスタマイズなどで、別途費用が必要になる場合があります。これらについても具体的な内容によって、費用はさまざまです。
チャットボットを導入する方法
チャットボットの導入を実現するには、自社で開発(スクラッチ開発)する方法と、既存のチャットボット開発ツール・プラットフォームを活用する方法があります。
前者は、自由度が高く、柔軟なカスタマイズによって自社にマッチしたシステムを開発できますが、専門の知見やスキルが必要となるほか、相応の予算を確保できないと難しいものと考えられます。
一般的なのは後者のチャットボット開発ツール・プラットフォームを利用する方法です。専門知識を必要とせず、ノーコードでチャットボットを実現できるものも多く存在するため、スムーズな導入が可能になります。
なお、具体的なチャットボットツールの種類については、次章にて解説します。
チャットボットツールの種類
チャットボットの導入をスムーズに実現するチャットボットツールには、どのような種類があるのでしょうか。以下より、チャットボットツールの主な種類を紹介します。
対話型AI(AIチャットボット)
対話型AI(AIチャットボット)は、AIを搭載し、ユーザーと自動で会話ができるチャットボットツールです。自然言語処理(NLP)により、まるで人間が話しているようなニュアンスでの会話が可能なため、パーソナライズされた体験をユーザーに提供できます。
また、機械学習(Machine Learning)によって、ユーザーと会話するたびにやり取りを学習するため、当初にデータとして登録したQAリストにないような質問にも回答できるようになるなど、複雑なコミュニケーションに適しています。
対話型AIは、カスタマーサービスやスマートホームアシスタントなど、多くのチャットボットにおいて幅広く活用されています。
対話型AI(プラットフォーム)
対話型AI(プラットフォーム)は、独自の対話型AIをローコードで開発し、その後の公開・運用までを一貫して実現できるプラットフォームです。チャットボットを管理するための総合的な機能をワンストップで提供します。
対話型AIプラットフォームであれば、ユーザーからの質問やリクエストに回答するというチャットボットの基本機能に加え、すでに活用している基幹システムとも連携し、例えば、飲食サービスの利用予約や宿泊サービスの購入といった処理を代行させることも可能です。そのほか、過去の購買履歴を基にした会話や新商品のレコメンドなど、ユーザー満足度の向上に貢献しながら、リアル店舗と遜色のない体験を提供できます。
また、Webサイトや電話を始め、LINE・Slackといったコミュニケーションアプリなど、複数のチャネルとシームレスに連携させることも容易です。
シナリオ型チャットボット
シナリオ型チャットボットは、事前にデータとして登録されたQAリストから、ユーザーが入力したキーワードに合致した回答を表示する、AI非搭載のシンプルなチャットボットです。FAQボットやルールベース型チャットボットとも呼ばれています。
例えば、「予約をキャンセルしたい」といったユーザーからのリクエストに対し、「予約」「キャンセル」というキーワードを基に回答を作成のうえ、ユーザーに返します。
複雑な質問やリクエストへの対応は困難ですが、社内FAQやWebサイト利用方法の案内など、質問のパターンが限定された簡単な問い合わせ対応に適しており、費用も抑えられることが多いため、手軽な選択肢として活用されているチャットボットです。
チャットボット導入の基本的な流れ
すでに多くの現場で活用されているチャットボットですが、実際に導入する際には、どのような流れになるのでしょうか。以下より、チャットボット導入の基本的な流れを紹介します。
「チャットボット導入の流れ」はこちら
導入目的・チャットボットに求める機能の明確化
まずは、「どういった業務やサービスを実現するのか」「ターゲットは誰なのか」「どのような目標を達成したいのか」といった導入目的を具体化することが重要です。導入目的を具体化することにより、チャットボットに求める機能をはじめ、自社に合った仕様や、設置すべきチャネルなど、自ずと詳細が明確になります。
チャットボットを導入する目的や求める機能が明確になっていないと、導入のための情報収集も非効率になるばかりか、ツールの選定から導入・公開後の運用まで一貫性が保てず、効果的な活用は困難です。
シナリオ設計・データ・社内体制の準備
次に、シナリオの設計や、必要となるデータの準備をします。シナリオ設計は、チャットボット開発の中核とも言える重要なプロセスです。例えば、カスタマーサポート業務用のチャットボットを開発する場合、既存のトークスクリプトや問答集なども活用しながら、QAリストを生成してチャットボットに読み込ませます。
また、あらかじめチャットボット運用時の社内体制も検討しておくことで、チャットボットの管理・運用や後述するチューニングもスムーズに実施でき、高いパフォーマンスを発揮しやすくなるのです。
チャットボットの開発
シナリオやデータが準備できたら、いよいよチャットボットの開発です。前章で紹介したチャットボット開発ツール・プラットフォームを活用する場合は、構築フローに沿って開発設定を行います。
チャットボットの開発段階では、会話フローの調整・実装や各チャネル・システムとの連携、そして先述のQAリスト作成、機能テストがメインの作業となります。
なおQAリストの作成にあたっては、既存の規約やマニュアルといった資料から、チャットボットが利用できるフォーマットに沿ったQAリストを自動生成する「QAジェネレーター」というツールもあります。それを活用すれば、導入までの手間や時間を大幅に削減することが可能です。
なお、対話型AIプラットフォームを活用した開発方法について詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。
導入開始・運用
チャットボットを開発したら、それをWebサイトなど目的のチャネルに設置します。連携したい外部のチャネルがある場合、それらの設定も併せて実施すれば、導入完了です。
また、チャットボットは導入したらそれで終わりではなく、導入後の運用フェーズにおけるメンテナンスも欠かせません。必要に応じて調整を実施し、チャットボットがより効果を発揮できるよう改善します。
特にAI搭載型チャットボットは、回答精度を高めるために継続的な学習とチューニングが必要です。AIの機械学習によって自動で改善されるものの、人為的なチューニングも並行して実施すれば、パフォーマンスを高められます。
導入するチャットボット開発ツールの選び方
有効に活用することでチャットボット導入の負担を大幅に軽減できるチャットボット開発ツールですが、何をポイントに選べばよいのでしょうか。以下より、チャットボット開発ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。
なお、より詳細なチャットボット開発ツールの選び方や、活用事例などについては、以下のページの資料でもご覧いただけます。
「チャットボット導入ガイド」の資料ダウンロードはこちらから
連携できるチャネル・ツールの種類
チャットボット開発ツールを選ぶにあたっては、外部連携できるチャネル・ツールの種類や数は重要なポイントです。
LINE・Slack・Microsoft Teamsなどのチャネルや、SalesforceといったSFAツールあるいはその他のCRM/MAツールなど、すでに活用しているチャネルやツールが多数ある場合は、どこまで連携可能かを確認しておく必要があります。
連携できるチャネルやツールの数が多いほど、質問やリクエストに対する情報の検索や処理の代行を実施する際の幅が広がるため、社内業務の効率化のみならず、ユーザーにとっても利便性が向上することになります。
社内・社外のどちらに適しているか
チャットボット開発ツールは、ヘルプデスクやナレッジベースとしての活用を中心にした社内向け、および接客やカスタマーサポートなどを代行する社外向けという2つのタイプに大別できます。また、その双方の機能を併せ持ったハイブリッドタイプも多く存在します。
そのため、チャットボット開発ツールを選ぶ際には、導入する目的に沿ってこれらのタイプを確認することはもちろん、強みとする機能・サポートや実際の活用事例が、想定される自社の利用シーンに沿ったものであるかを慎重に見極めることも、大切なポイントの1つです。
サポート内容は充実しているか
特に高度な機能を搭載しているAI搭載型チャットボットの場合、その導入や運用に際して提供会社から手厚いサポートを受けられれば安心です。
チャットボットを選ぶ際には、「運用方法のコンサルティングや不明点に対する解決提案といった支援をどこまで実施してくれるのか」「サポートは基本料金に含まれるのか追加費用となるのか」など、自社の導入目的や活用シーンに沿って、サポート内容やその体制を確認しておく必要があります。
なお、当社TDSEが提供する「Cognigy」のご利用にあたっては、サポートに関する追加費用は一切発生しません。無料・回数無制限で、専任のコンサルタントによる初期設定から運用改善までの充実したサポートを提供します。
無料デモ・トライアルは可能か
導入するチャットボットを選ぶ際には、無料デモ・トライアルが可能かどうかもポイントです。
無料デモ・トライアルにより、チャットボットの使用方法や性能などを直接確認しながら、ユーザーの視点に立った検証ができます。また、継続して活用するにあたっては、開発時の操作性や使い勝手なども重要です。迷わず操作できるか、スムーズな機能の実装が可能かなど、運用する観点からも検証する必要があります。
なお、Cognigyは無料デモ・トライアルが可能なため、さまざまな機能やその使い勝手を導入前に試すことが可能です。